東北地方の日本酒の特徴とは?

東北地方の日本酒の特徴とは?

Tohoku region

日本酒には非常にたくさんの種類があります。

同じ日本酒という枠組みで販売されていても、米と米麹を使って丁寧に造られているものと醸造アルコールに酒粕を加えて作る安さを追求した日本酒では、香りや味に大きな差があります。

最近は流通システムや冷蔵技術の発展により、冷涼地でしか飲むことができなかったフレッシュな生酒も通年楽しめるようになりました。

また瓶内二次発酵のシャンパンのような日本酒も増え、日本酒の新しい時代が到来しています。

日本酒は造られる地域によって特徴が大きく異なります。今回は、キレイな酒質が特徴の東北地方の日本酒を紹介したいと思います。

 

東北地方の日本酒

https://www.instagram.com/p/Bwd08SpAlxO/

東北地方で造られる日本酒の最大の特徴は、「酒質のキレイさ」です。

冷涼な気候を生かした菌が少ない寒造り、日本酒造り専用に造られた酒米によって、東北の酒はスリムで美しい酒質に仕上がります

東北は米作りが盛んな地域なので、酒米の開発も盛んに行われています。各県ごとに秋田酒こまち、蔵の華、吟吹雪などが開発され、原生種の亀の尾もあります。

東北地方の中でも、山形県、宮城県で造られる日本酒はレベルが高く、秋田県、福島県がその後を追随しています。

東北の酒は、価値の高い日本酒であることを示す特定名称比率も非常に高く、新酒鑑評会での金賞受賞数はダントツで1位です。

新しい醸造技術や新麹の開発も積極的に行なっており、日本酒造りを引っ張っている地域だと言えます。

 

東北地方で造られる日本酒を紹介!

ここからは、東北地方で造られる日本酒の中で、代表的なものを紹介していきます。

東北の酒にはどのような特徴があるのか、それぞれ違いはあるのかなどぜひチェックしてみてくださいね。

●田酒(でんしゅ)

densyu

出典:http://www.densyu.co.jp/

田酒を造っているのは、本州最北端近く、青森県青森市油川大浜にある西田酒造店です。醸造アルコールや醸造用糖類は一切使用せず、米の旨味が生きる旨口の純米酒です。

原料米は8割近く青森県産の米を使用しており、全国でも田酒でしか使用していない古城錦を蔵人の圃場(ほじょう)で栽培しています。

食材に恵まれた青森県の日本酒なので、青森市のヒラメ、大間のマグロなどとの相性は抜群です。

●豊盃(ほうはい)

houhai

出典:http://www.aomori-sake.or.jp/kuramoto/houhai.html

豊盃を造っているのは、青森県弘前市にある三浦酒造です。弘前市は、東に八甲田連峰、西に岩木山、南に世界遺産白神山地が連なる、自然に恵まれた地域です。

豊盃の由来は、津軽地方の民謡「ホーハイ節」からきています。津軽リンゴのような香りがあり、甘みのあるまろやかな味わいでスッキリとした後味が特徴的です。

この蔵だけの酒米「豊盃」や青森の代表酒米品種花吹雪、華想いなどを原料米として使用しており、近年目覚ましい品質向上を遂げている日本酒です。

●与右衛門(よえもん)

与右衛門を造っている川村酒造がある岩手県花巻市石鳥谷は、日本屈指の杜氏集団である南部杜氏が拠点にしている地域です。

原料米は所有する田んぼで栽培している美山錦や契約栽培の亀の尾など、石鳥谷産のコメが中心です。

冬の寒さが厳しく、最低気温がマイナス15℃まで下がり、その寒さに鍛えられた味わいは、旨口でありながら飲み疲れしない、クリアで穏やかな香りに仕上がります

●南部美人

nanbubijin

出典:https://www.nanbubijin.co.jp/

南部美人は、岩手県二戸市にある株式会社南部美人で造られています。雑味の多い酒が主流の時代にキレイな酒を造りたいと思い、「南部美人」と命名したと言います。

原料米は岩手県オリジナルの酒米「ぎんおとめ」や「吟ぎん」を使用しています。

米を潰さないようにするために昔ながらの手法を活用し、丁寧な仕込みで造られる南部美人は、全国的に非常に人気のある日本酒へと成長しています。

●墨廼江(すみのえ)

suminoe

出典:https://www.nipponnosake.com/kura/suminoe/

墨廼江は、宮城県石巻市にある墨廼江酒造で造られています。石巻市は東北きっての漁獲高を誇る港町です。

北上川の伏流水と宮城県酵母で仕込むことで上質な日本酒へと仕上がり、蔵で造られる日本酒の約8割が特定名称酒となっています。

控えめな果実に似た香り、キレイで柔らかく透明でフレッシュ感のある酒質が特徴で、飲み飽きない味わいになっています。

原料米には、兵庫県産山田錦、福井県産五百万石、宮城県産蔵の華、八反錦、雄町などを使用しており、米の特徴を生かした酒造りが行われています。

●日高見(ひたかみ)

日高見を造っている平孝酒造は、石巻港の近くにある酒蔵です。

新鮮な刺身に合うようにこだわって造られており、酒の臭みを消すほのかな香りによって魚が持つ味わいを引き立てています。

もちろん酒としての主張もしっかりと感じられ、上品で柔らかい酒質が特徴です。牡鹿半島系伏流水を仕込み水に使う日高見は、魚介料理には相性抜群です。

宮城県酒造組合HP 平孝酒造

●綿屋(わたや)

綿屋を造る金の井酒造は、宮城県最北端栗原市一迫にあります。一迫は、真冬にマイナス19℃にまで達する非常に寒い地域です。

綿屋は、その気候と土作りから考えられた米、小僧山水の天然水を最大限生かした「ここでしかできないお酒」だと言えます。

綿屋の特徴としては、綿のようなふわっとした丸みのある口当たり、穏やかな洋梨風の果実香、しっかりした味わいとすっと切れる余韻などがあり、料理にもしっかり合う仕上がりになっています。

金の井酒造

●萩の鶴

haginotsuru

出典:http://www.hagino-shuzou.co.jp/

宮城県栗原市にある萩野酒造が造る日本酒「萩の鶴」は、宮城らしいキレイでスッキリとした飲み飽きのしない日本酒です。

萩野酒造は数ある酒蔵の中でも醸造技術に優れており、ハイクオリティーな日本酒を数多く販売しています。

新製品の導入にも熱心なため、注目しておきたい酒蔵の1つだと言えます。

●伯楽星(はくらくせい)

伯楽星の蔵元は、2013年より蔵王連峰の大自然に囲まれた雪深い山間部に移転した新澤醸造店です。

蔵の敷地内から湧き出る良質な軟水を、天然のまま仕込み水に使用しているのが特徴の1つです。

料理の名脇役を目指しており、あえて香りと甘さを控え、料理を引き立てるように造られています。軽快でキレイな味わいのため、何倍も飲めてしまうことでしょう。

宮城県酒造組合HP 新澤醸造店

●乾坤一(けんこんいち)

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#宮城 #日本酒 #伯楽星 #乾坤一 #貝

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古き東北の商都、小京都村田町にある大沼酒造店で造られる「乾坤一」は、山の幸や山菜など心地よい苦味のある食べ物との相性が抜群の日本酒です。

原料米は宮城県産のものを使っており、中でもササニシキへのこだわりは特筆すべきものがあります。

ササニシキを50%以上使用しており、口当たりが柔らかく、シルクのような滑らかで丸い味わいが特徴です。

ササニシキが酒米なのかと勘違いするほど、クオリティーの高い仕上がりになっています。

宮城県酒造組合HP 大沼酒造店

●ゆきの美人

yukinobijin

出典:https://www.nipponnosake.com/kura/yukinobijin/

秋田酒造は、秋田市内の繁華街近くにある酒蔵です。蔵の中は真夏でも涼しく、季節に関係なく酒造りを行なっています。

最新鋭の設備を導入しながら、手間のかかる麹蓋にこだわるなど、常識にとらわれない酒造りを行なっています。

ゆきの美人の味わいは、軽快でコクがあり、爽やかな甘みとキレイな酸味が絶妙にマッチしたものになっています。

●天の戸

amanoto

出典:http://www.amanoto.co.jp/

天の戸が造られている横手盆地には、奥羽山脈から皆瀬川が流れ下り、地下には同水系の伏流水が流れています。

つまり、米を作るための水と酒を仕込むための水が一緒なのです。

天の戸は軽めの味わいですが、飲み進めるうちに軽さの底にあるしっかりしたコアな味が見つかります

飲む人が自分の舌で日本酒の味わいを探す、天の戸はそういった楽しみがある日本酒です。

●まんさくの花

mansakunohana

出典:https://hinomaru-sake.com/

まんさくの花は、秋田県横手市増田町にある日の丸醸造株式会社によって造られています。増田町は、横手盆地の南東部に位置し、日本有数の豪雪地帯として有名です。

そのような自然環境が育む伏流水は、キレイで優しい酒質に適した極上の軟水だと言えます。

低温瓶貯蔵にこだわりを持ち、定番品は最低でも1年以上寝かせたものが多く、それらはまんさく酒質と呼ばれます。

リンゴやバナナ、桃を合わせたようなフルーティーな香りがし、酸が極端に高くなく角の取れた上品な味わいが特徴です。

●雪の茅舎

yukinobousha

出典:http://www.yukinobousha.jp/

秋田県由利本荘市は、鳥海山の北麓に広がる山と川と海がある街です。

自然の地形をうまく利用した酒造りが行われており、「三無い造り」(櫂入れしない、ろ過しない、加水しない)が用いられています。

自然な発酵の力を最大限利用しており、その土地でしか造ることができない日本酒の1つだと言えます。

●山本

白神山地の麓という立地で、世界遺産の湧き水を引いて仕込み水に利用しています。

水の良さには以前から定評がありましたが、近年目に見るほど醸造技術が上がり、以前にも増して人気が出ています

山本合名会社

●一白水成(いっぱくすいせい)

https://www.instagram.com/p/BzpXP4Qn-WU/

一白水成には、「白いコメと水からなる一番美味い酒」という意味が込められています。

福禄寿酒造がある秋田県五城目町は、大潟村の東方、急な山岳地帯から肥沃な水田地帯まで、変化に富んだ農村です。

その土地を生かして、キレイな酒質で米の旨みを十二分に感じるフレッシュな味わいの日本酒造りが行われています。

福禄寿酒造

●春霞(はるかすみ)

https://www.instagram.com/p/BzX9M6-Bn1L/

春霞が造られている秋田県六郷は、古来より「百清水」と言われており、名水百選指定の湧き水があります。

春霞の味わいは、水の良さがしっかりと際立つものになっています。また春霞は季節の食材を使った料理に合うとされており、料理を生かす脇役的存在を担うお酒だと言えます。

生産量がそれほど多くないため、見つけたら購入したい日本酒です。

春霞 栗林酒造店

●出羽桜(でわざくら)

dewazakura

出典:http://www.dewazakura.co.jp/

出羽桜は、将棋の駒が有名な山形県天童市で造られている日本酒です。

山形県の特産品、ラフランスを思い起こすような、フルーティーな吟醸香を持ち、滑らかな口当たりでどんな人でも楽しめる味わいになっています。

そのため、出羽桜を飲んで日本酒が好きになったという方もたくさんいるようです。

 

まとめ

Tohoku region liquor summary

日本酒は地域性が出やすいお酒です。今回紹介した東北地方は、日本酒激戦区とも言える地域で、日本酒の発展をリードしてきた地域です。

東北地方には今回紹介しきれなかった美味しい日本酒もたくさんありますので、訪れる機会があればぜひ酒蔵巡りをしてみてくださいね!










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