酒 瓶 ラベル

日本酒に限らず、販売されているすべてのお酒にはラベルが貼られています。

ラベルにはお酒選びの参考にしたい情報がたくさん書かれているのですが、ほとんどの方はラベルをあまりチェックせず、銘柄名や価格などでお酒を選んでいます。

そこで今回は、お酒選びの参考にしたいラベルチェックの方法をいくつか紹介したいと思います。

ラベルの読み方を勉強して、美味しいお酒を選べるようになりましょうね!

 

ラベルにはどのような情報が記載されているのだろう?

冒頭で、ラベルにはお酒選びの参考にできる情報がたくさん書かれているとお話ししました。

では具体的にどのような情報が記載されているのでしょうか?日本酒のラベルの場合には、表面と裏面があり、それぞれ以下のような情報が記載されています。

【表面】

表面はインパクト勝負です。たくさんの人に興味を持ってもらうため、各酒蔵が工夫を凝らしてラベルの作成を行なっています。

表面のラベルに記載されている情報は、主に以下の2つです。

銘柄名
銘柄名はそのお酒の名前ですので、酒蔵の個性が出るポイントです。筆文字、カタカナ、英語、数字、イラストなどさまざまな字体を活用して印象的なデザインにしています。
・製造者名
氏名や酒蔵名、所在地は必ず書かなければいけません。これらの情報は、表面に小さく書かれていることが多いです。

【裏面】

裏面にはラベルに記載しなければいけない細かな情報がたくさん載っています。

小さな文字ですのであまりチェックしない方もおられるかもしれませんが、お酒の特徴を示す重要な情報がたくさん載っています

具体的には、以下の8つが記載されています。

特定名称区分(カテゴリー、種別)
純米大吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、本醸造酒など、日本酒がどのカテゴリーに属しているものなのか判断できる情報です。
日本酒選びのポイントになるため、最初にチェックしたい情報です。
容量
一升瓶の場合には1,8L、四合瓶の場合には720mlと書かれています。・原材料名
原材料名は使用量の多い順に記載するというルールがあります。・原料米
原料米は使用割合が50%を超えていれば表示できます。・精米歩合
精米歩合は特定名称を表示する際には書かれていることが多いです。・アルコール分
アルコール分は表示が義務付けられています。また清酒はアルコール度数が22度未満のものとされています。

製造年度、製造年月
製造年度や製造年月は日本酒が造られた時期を示すものです。

日本酒度、酸度
日本酒度や酸度は味の目安になります。

このようにラベルにはさまざまな情報が書かれています。

ここからはラベルに書かれている情報で、特に意識してみていただきたいものをピックアップして詳しく掘り下げていきます。

 

酒米の種類

日本酒 徳利 おちょこ 米

酒米とは、日本酒づくりのために作られているお米です。

ご飯として食べるお米と比較して、大粒で心白という部分が大きく、美味しい日本酒づくりのためには欠かせません

現在、それぞれの地域で酒米づくりが行われており、酒米の数は100種類を超えるものになっています。

数ある酒米の中でも、「山田錦」「五百万石」「美山錦」「雄町」は有名な品種であり、たくさんの日本酒にしようされている酒米です。

酒米によって日本酒の香りや味わいも大きく変わってきますので、ラベルに書いてある酒米の種類はよく見ておきましょう!

 

アルコール度数

日本酒 おちょこ

アルコール度数は酒税にも関わるため、表示が義務付けられています。日本酒の平均アルコール度数は15度前後です。

日本酒の原酒は17度以上になるため、市販の日本酒の多くができた日本酒を飲みやすいように水で割っていることがわかります。

最近では、アルコール度数を1桁台にまで抑えた日本酒も販売されており、お酒があまり得意でない方でも日本酒を楽しめるようになりました。

お酒が弱い方は、ぜひアルコール度数が低い日本酒を試してみてくださいね。

 

日本酒の味わいに大きく関わる4つの表示

日本酒 乾杯

ラベルには、日本酒づくりを行なった人たちが消費者に伝えたい情報がたくさん載っています。

以下の4つの表示は、日本酒の味わいに直結する項目であり、ぜひチェックしていただきたい情報です。

●日本酒度

日本酒度とは日本酒の比重を表す数値です。

日本酒度が高ければ高いほど糖分が少なく、少なければ少ないほど糖分が多くなっています。

日本酒には甘口のものと辛口のものがあるのですが、その判別に利用されている数値です。

比重の数値は糖分とアルコールのバランスで決まるため、糖分が少なくアルコール度数が高いお酒は辛口、反対に糖分が多くアルコール度数が低いお酒は甘口とされているのです。

辛口の日本酒と聞くと飲みにくいようなイメージを抱くかと思いますが、全てがそうではありません。

「スックキリとして水のような味わいの辛口」や「しっかり味があり、後味がキリッとしている辛口」など、辛口の日本酒でも飲みやすいタイプはあるため、辛口だからといって敬遠しないようにしましょう。

●アミノ酸度

アミノ酸度はうまみ成分を表します。日本酒の中には20種類以上のアミノ酸が含まれており、アミノ酸の量が多ければ多いほどコクのある太い味わいになると言われています。

大吟醸クラスの日本酒はアミノ酸度が低い傾向にあります。

●酸度

酸度は日本酒に含まれる有機酸の割合を示すものです。

日本酒に含まれる有機酸は、乳酸、コハク酸、リンゴ酸が主であり、酸度が大きければ大きいほどフルボディ、酸度が小さければ小さいほどライトボディになる傾向にあります。

●酵母

酵母は日本酒づくりの中でも大きな役割を担っているものです。米をアルコールに変えるのは酵母の働きであり、日本酒づくりに欠かせない成分だと言えます。

酵母の種類はさまざまであり、種類によってはリンゴやバナナの香りがするもの、香りがほとんどしないもの、酸味が感じられるもの、酸味が全く感じられないものなど大きく異なる性質になります。

酵母の種類によってどのような味わいのする日本酒なのか判断することもできるため、ラベルに酵母名を記載する蔵元も増えています。

 

酒造年度

酒造年度と話すビジネスマン男性

日本酒の年度表示は特徴的で、最も日本酒づくりを行わない時期である7月1日が年度の始まりになっています。

日本酒のラベルにはいつ出荷されたものなのか、必ず酒造年度が記載されています。

 

生酒、生詰め酒、生貯蔵酒

ラベルから生酒、生詰め酒、生貯蔵酒を見分けることもできます。

●生酒

「生酒」とは一度も加熱処理せずに出荷したお酒のことです。

ガスを含んだものもあり、フレッシュな味わいが特徴的です。生酒は酒質が弱く劣化しやすいため、ラベルには「生」という表示と保管や飲むときの注意事項を記載する必要があります

生酒を常温で保存してしまうと味が劣化してしまうため、冷蔵管理を徹底するようにしましょう。

●生詰め酒、生貯蔵酒

「生詰め酒」と「生貯蔵酒」は、どちらも1度だけ加熱処理をしています。

普通の日本酒は2度加熱処理を行うのですが、上記の日本酒は1回しか熱処理を行なっていません。そのため、こちらも酒質が弱く保存に気をつけなければいけません。

生酒、生詰め酒、生貯蔵酒は、熱処理の関係上、一般的な日本酒に比べて酒質が弱くなっていますので、保存するときは冷蔵保存だということを忘れないようにしましょう。

 

生酛、山廃酛

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「生酛」とは、伝統的な酵母の造り方です。酒造りはまず原料から酵母を増殖させることから始まりますので、「生酛」は本当に初期の作業だということがわかります。

酵母は酸に強いという性質を持っており、他の有酸菌は酸に弱いため、酸が多い環境を作って酵母を増やす必要があります

「生酛」造りは自然の乳酸菌が出す乳酸で有害菌を抑え、酵母を増やすという方法で、酵母が強健に育つと言われています。

自然な酒造りのため、時間や労力はかかりますが、雑味のない日本酒に仕上げることができます。

「山廃酛」も伝統的な酵母の造り方の1つです。生酛との違いは、米をすりつぶす作業を合理化して、手間を省いているということです。

どちらも自然界の乳酸菌を生かし時間をかけれ酵母づくりを行う伝統的な方法だと覚えておきましょう。

 

まとめ

多くの日本酒の瓶

ラベルには、日本酒を造った人たちが消費者に伝えたい情報、伝えなければいけない情報がたくさん載っています。

私たちはラベルに表示によって、どんな種類の日本酒なのか、どんな製造方法で造られた日本酒なのか、どんな味わいがする日本酒なのか知ることができます。

自分に合った日本酒を見つけるためにも、ラベルはしっかりと確認しましょう!