
1人でお酒の旨味をしみじみと楽しみながら呑む、というイメージが強い日本酒ですが、たまには仲間と宅飲み日本酒パーティーを開いてはいかがでしょうか。
昨今の「おちょこ女子」や「酔女」の増加で女子受けする日本酒バーなども増えてきました。そんなおしゃれなお店でお好みの日本酒を飲むのも楽しいものです。でも、お家で気取らずに好きな銘柄を呑み、美味しいアテに舌鼓を打ちながら盛り上がるのも最高!
今回の記事では、日本酒パーティーを盛り上げる3つのアイデア、
- もっきり、升酒の正しい飲み方
- ヒレ酒の作り方
- 酒ボムの遊び方
をご紹介します。おちょこ女子ばかりで盛り上がって楽しむのもいいけれど、たまには男子も誘ってあげてくださいね!
【日本酒パーティの盛り上げ方:酒器編】まだぐい呑みやおちょこ?今夜は升酒で乾杯!
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昨今のおちょこ女子の増加で、おしゃれでかわいい酒器も増えてきました。
材質もガラス、漆器、錫など様々…。パーティーではいろいろなぐい呑みやおちょこを揃えて、好きな酒器で飲んでもらう、という方法もあります。
しかし、今回は是非とも盛り上げたいパーティー。ぐい呑みやおちょこは当たり前すぎ。
そこで、日本酒好き女子の憧れ、昭和のオヤジさんがグイっと日本酒をあおっているイメージがある升を使ってはいかがでしょうか。
升になみなみと注がれた日本酒を見ると、誰もが興奮するはず!
升酒を日本酒パーティーに取り入れると、「コレ、どうやって飲むの?」「こぼれちゃったよ、どうしよう」など滑り出しから大盛り上がり!
日本酒パーティーを盛り上げる『升』とは?
升と言えば「升酒」を連想し、日本酒を楽しむ酒器の一種と思っている人が多いのですが、実は昔は計量カップとして用いられていたものなのです。
日本人が農耕を始めてからは収穫量を知るために升で量り、年貢米を量り、上に立つものは分配するための食糧を量ったりと、基準が統一された升は人々の生活に深く根ざし、浸透していました。角打ちも升文化のひとつ。
昔は日本酒は酒屋で量り売りされていて、もちろん計量カップは升でした。日本酒を選ぶため、または家まで持って帰ってから飲むのが待ちきれずに升を使って飲む人がいるため、酒屋が店の一角を仕切って立ち飲み用にしたことが角打ちの始まりとも言われています。
升酒には、升をグラス酒のコースター代わりに使っている「もっきり」や日本酒を直に注ぎ入れたものがあります。
楽しく呑んでおしゃべりすることが目的の宅飲みパーティーだから、升酒のルールなんて知らなくても大丈夫。しかし、お祝いの席などでお目にかかる事が多い升酒。この際、みんなで升酒の飲み方を習得しておくと、いざという時に恥をかかないで済みます!
『もっきり』『升酒』の正しい飲み方
現在では、江戸切子などで作られたおしゃれな升もありますが、升の素材の大部分は木です。ヒノキやモミなどの木材を組んで作られた升は、昔から「多くの人の木(気)が合う」ということで縁起のいい器として用いられてきました。
升に直接日本酒を入れて飲んでいた「角打ち」でも、最近はグラスでサービスされることが多いのですから升酒の呑み方を知っている人は少ないはず。そんな中で升酒を出されてスマートに飲めるあなたは「日本酒通」として尊敬の眼差しで見られることは間違いないでしょう。
では、「もっきり」の飲み方からご紹介します。
溢れるほど注ぐパフォーマンス!もっきりの正しい飲み方
「もっきり」とは「盛りきり」に日本酒が注がれた状態の升酒のこと。升の中には溢れんばかりの日本酒が注がれたグラスが入っています。
親しい仲間内の飲み会では、もっきりをテーブルに置いたままグラスに口を接近させ、表面張力している日本酒をすすっても大丈夫です。しかし、上司などと飲む場合はこの方法では見た目があまりよろしくありません。
もっきりの正しい飲み方は、
- グラスを傾けるかグラスを注意深く持ち上げて、日本酒を升に少量こぼす。
- グラス内の日本酒が減ったらグラスだけを持ち上げて、おしぼりやティッシュペーパーでグラスの底の部分を拭く。その後、
- グラスの日本酒を呑み干す
- グラスの日本酒を升に移し、升からダイナミックに飲む
- 升に残った日本酒をグラスに入れて飲む、などお好みの方法で…。
グラスの底を拭いてテーブルを汚さないようにすれば、どの方法で飲んでもマナー違反ではありません。
ただ、升に残った日本酒には升の木の香りが移っているので、日本酒の繊細な味わいを楽しみたい方はグラスの日本酒を先に飲み干した方がいいでしょう。升に残った日本酒は飲んでも飲まなくてもいいのです。
逆に木の香りと日本酒のマリアージュを楽しみたい方は、グラスの日本酒を升に入れて飲む方法をおすすめ。しかし、その場合気をつけたい事があります。升の角の部分から飲まずに一直線のフチの部分からすするように飲むようにしましょう。角部分は汚れが落ちにくいからです。
ちなみにたっぷりサービスされたように見えるもっきりですが、グラスの容量は110ccほど。盛りこぼして升に入った量と合わせると180ccになるように計算されています。
日本酒パーティーでは好きなだけ盛りこぼせば座が盛り上がりますが、お店のもっきりは「こぼれるほどサービスしてくれた!」わけではないので、あまり感激しなくてもいいのです。単なる「日本酒のパフォーマンス」と冷静に捉えた方が無難です。
升酒の持ち方、呑み方
もっきりはグラスで日本酒を飲めばいいのでハードルはそれほど高くはありません。では升酒をサービスされたらどうやって飲めばいいのでしょうか?
まず升の扱い方から悩みますよね。升酒に普段慣れていない人がやってしまいがちなのは鷲掴み。升の上からガッシと掴んでグイッと飲む…。こんな飲み方にも憧れますが、公衆の面前ではちょっとはばかられます。
正しい升の持ち方は、
- 手のひらを上に向ける
- 升酒を1に乗せて親指以外の指で支える
- 親指をフチにかけて飲む
が正しいとされています。
その際、もう一方の手を添えると上品な趣きになります。
日本酒パーティーをさらに盛り上げる『塩を舐めながら升酒』
升酒をせっかく用意したのだから、パーティーをもっと盛り上げるためにもう一歩踏み込んだ演出をしましょう。それは升の角に塩をチョコンと盛る事。
角打ちでオヤジさんが塩を舐めつつ日本酒を呑んでいる、あのイメージの再現です。
塩も数種類準備しておくと、日本酒とのマッチングも楽しめます。例えば、塩の種類は、
- 普通の塩
- ピンクの「ヒマラヤソルト」
- ヒマラヤの「黒岩塩」
- 梅酢から作られた「梅塩」
- 旨味たっぷりの「昆布塩」
- いろんなハーブ入りの「ハーブソルト」
それぞれ小皿に入れてテーブルに並べておきます。みんなには好きな塩を選んでもらい、おのおのの升に乗せて塩を舐めながら日本酒を呑んでもらいましょう。
日本酒とのマッチングを試してみて、この日本酒はこの塩との相性がいい、悪いなどと評価し合うのも楽しいですよ〜!
※空腹状態で塩だけをアテにして飲み続けると肝臓によくありません。料理やつまみをお腹に入れる事をお忘れなく!
日本酒パーティーでは木の升より『塗升』が便利!?
先ほど「升酒を飲むときはフチ部分に口をつけて飲む、角から飲まない」と書きましたが、厚みのあるフチから飲むとどうしても日本酒がこぼれる事が多いので、大部分の人は角に口をつけて飲んでいるのが実情です。
しかし、升の角は洗いにくくて汚れ落としが大変です。大人数が集まるパーティーではヒノキやモミでできた木製の升を利用するよりも、「塗升」を使った方が洗いやすくて清潔!
塗升とは
プラスチックの素材に漆を使って外側を黒く、内側は朱で塗り分けたコントラストが美しい升のことです。見た目も華やかで女子会にぴったり!角に口をつけて飲まないで、なんて口うるさく言わないで済むのも嬉しいですね!
【日本酒パーティーの盛り上げ方:プラスα編】ヒレ酒で炎のパフォーマンス!
日本酒はそのまま飲んでももちろん美味しい!しかし、フグのヒレをあぶって日本酒に入れてみてください。日本酒にヒレの香ばしさと旨味が加わって各別の味わいになります。また、透明な日本酒が琥珀色に変わっていくのを見ながら待つ時間も楽しいものです。
ヒレ酒がパーティーにぴったりなのは、日本酒に含まれたアルコールを燃やす、という注目度大のパフォーマンスがあるから。もちろん、普段はなかなか飲めないヒレ酒の旨味を味わうのも楽しみの1つですが、器の中でぼっと青い炎が燃え上がる様を見ると、いやがうえにもヒレ酒への期待が高まります!
日本酒パーティーで注目度No.1 ヒレ酒の作り方
まず、材料の調達をしましょう。1合のヒレ酒を作るために必要なヒレは、長さ3cmのヒレが2枚必要です。ヒレ酒にもっとも適していると言われているヒレはとらふぐのヒレ。通販で簡単に手に入ります。
お値段は8枚〜15枚入りで900円弱から。人数分取り揃えておきましょう。ヒレは薄いものよりもある程度厚みのある方が旨味がしっかりと出ます。
酒器は蓋つきカップや湯呑み。大人数の場合は急須にこんがりと焼いたヒレと熱々の日本酒を入れても構いません。
Step 1:ヒレを炙る
生のヒレが手に入った場合は、生臭さがなくなるまでヒレをしっかりと乾かしてください。
通販で購入した場合は、ヒレを炙ることから始めます。
ヒレを炙る目的は、魚臭さを抜くことです。弱火でじっくりと焼きましょう。あれば、網の上で焼くのがベストなのですが、昨今のキッチンにはグリルがついているのでグリル焼きでも大丈夫です。または、オーブントースターでも焼けます。
グリルの網の目が大きい場合は、小さなヒレが落ちないようにホイルなどを敷いて焼いてください。面倒だから、とフライパンで焼くと、前に作った料理の味が移ってしまうのでおすすめできません。
焼き時間は2分から3分。ヒレがこんがりとキツネ色になり、フチの部分が焦げていい匂いがしてきたら焼き上がりです。
Step 2:日本酒を温める
フグのヒレには旨味成分の1つであるイノシン酸が含まれています。この旨味を日本酒に溶かし出すためには、日本酒の温度は70℃〜80℃である必要があります。温度が60℃以下の日本酒を使うと、ヒレから生臭みが日本酒に移ってしまうのでご注意!
日本酒の温度の測り方
40℃くらいなら指を入れて大体の温度がわかりますが、70℃〜80℃では熱くて無理。そこで、クッキング用温度計を使うことをお勧めします。油の温度を測ったり、調理した肉の中心部の温度を測ったり…と1本あると便利な温度計。通販サイトで1,000円以下で買えるので、この際購入を考えてはいかがでしょうか。
温度計がない場合、70℃くらいになった、という目安は小さな泡。小鍋などに日本酒を入れて加熱して、鍋の底から小さな泡が出てきたら70℃。小さな泡が鍋底全体から盛んに出てくるようになったら80℃、と覚えておきましょう。
ヒレ酒におすすめの日本酒は?
日本酒を高温にするので、大吟醸酒や吟醸などの高級酒は使わない方がいいかもしれません。かなり熱くなるので、せっかくの香りも風味も飛んでしまうのでもったいないです。とはいえ、普通酒でせっかくのヒレを味わうのは忍びない、とお考えなら純米酒あたりがいいでしょう。
おすすめは新潟の地酒「越路乃紅梅」。どんな料理とも相性抜群の辛口です。新潟県上越市柿崎区にある蔵元の頚城(くびき)酒造は海と山に囲まれており、日本海で獲れる魚介類や山の豊かな恵みにも相性のいい酒造りを目指しています。大きくはない蔵元だからこそできる手作りの日本酒は「料理との相性がいいお酒」として地元でも愛されています。
また、ラベルのデザインも女子好み!サクランボを思わせるシンプルで可愛いデザインがおちょこ女子パーティーのテーブルを賑やかに彩ってくれます。
Step 3:ヒレをコップに入れて日本酒を注ぐ
先ほど日本酒の温度は70℃〜80℃と説明しましたが、厳密には78℃以上になるとアルコールがとんでしまいますので、酔いたい方は温め過ぎないように注意してください。
日本酒が温まったら、カップに焼いたヒレを入れて、その上から日本酒を注いで蓋をして3分〜5分、じっと待ちます。3分以下ではイノシン酸が日本酒に十分に溶け出さないこともあるので、急ぐのは禁物!
さて、ヒレ酒ができたらヒレを出して飲んだ方がいいのか、入れたまま飲むのが正しいのか、どちらでしょうか?答えはどちらも正解です。その日の気分やお好みでお選びください。
ヒレ酒に火を付けるタイミング
コップにヒレと日本酒を注いだらすぐに火をつけて数分待ちます。その後、蓋をしてゲストにサービスします。
パーティーを盛り上げるためにはこのパフォーマンスは避けて通れません。しかし、せっかくのアルコールを飛ばしたくなかったら火をつけるのはやめてもいいのです。
火をつけなくても良質の日本酒なら、ヒレは日本酒をさらに美味しくします。香ばしく旨味を増したヒレ酒を一度でも経験すると再び呑みたくなる人が続出!
準備に手間はかかりますが、せっかくのパーティーなのだから、非日常の味と雰囲気をぜひ味わいたいものです。
【日本酒パーティーの盛り上げ方:ゲーム編】締めは酒ボムで賑やかに!
もっきり、升酒、ヒレ酒で盛り上がろう!ということでご紹介してきましたが、それだけじゃインパクトに欠けると思っている方もいるかもしれませんね。ということでパーティーも終盤に入ったら、最後に「酒ボム」で大いに盛り上がろうではありませんか。
酒ボムとは、
- グラスに冷たいビールを1/3ほど注ぐ
- グラスの口に2本の割り箸を平行に置く
- 割り箸の上に熱い日本酒が入ったおちょこを置く
- 「サケ!」「バン!」「サケ!」「バン!」「サケサケサケ!」「バンバンバン!」と叫んでテーブルを強く叩く
- 振動でおちょこがビールに落ちる
- 日本酒とビールのミックスを一気に飲む
というものです。
海外で大人気、とは言えませんが安い寿司店などでたまに見かけます。おちょこがグラスの中に落下するかどうか、というスリルがあってワクワクしますよ〜!おちょこが落ちたらすぐにグラスをとって飲み干す、という競技意識もありスピードと機敏性も試されます。
お店などでは大声を出すのでうるさい、とか、テーブルが汚れる壊れる、などの理由で嫌がられることが多いので、ぜひ日本酒宅飲みパーティーで思いっきりやってみたいものです!
酒ボムの実際の方法は以下の動画を参考にした方がわかりやすいでしょう。
この日本酒を選べばパーティーは大成功!
日本酒を楽しく美味しく飲める方法をご紹介してきました。
「盛り上げる方法はわかったけれど、パーティー用の日本酒は何を準備しておけばいいの?」と疑問を持っている人も多いはず。
まず、宅飲みパーティーでは参加する人に各自好きな日本酒を持参してもらいましょう。バラエティーに富んだ日本酒が集まります。
では、主催者側が用意しておきたい日本酒とは?
低アルコールで甘酸っぱい【HANABI Sparkiling】
パーティーのスタートは華やかさがいっぱいのスパークリング日本酒で乾杯!
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会社の新年会で飲んでから、ファンになり購入させていただきました。とても飲みやすく、一本がすぐに空いてしまいました。
出典:楽天市場
2杯目は、嫌いな人はいないであろう大吟醸酒!特に最近ではスッキリ辛口の純米大吟醸が人気です。キリッと冷やして繊細な味を楽しんでもらいましょう。おすすめは、
香り、味わいとも軽やかで気品ある辛口【純米大吟醸「笹祝」越淡麗仕込】
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ほのかな上立ち香。すっきりとした飲み口で、酸が感じられる。旨みがけっこうあり、旨みと酸とのバランスが良い。甘みも適度、中盤からは適度な辛みが出てくる。軽快感があり、ざっくり言うと「淡麗やや辛口」酒か。きれいで、さっぱりとしたお酒。余韻は酸と辛み。
出典:47NEWS
だんだんいい気分になってきてアテをつまみ始めたら純米酒をサービス。こちらも料理の味の邪魔にならない喉越しの良い辛口がお勧めです。
その後は、燗にしてもイケる本醸造などで楽しみましょう。デザート用に梅酒を用意しておいても「気が利く」なんて高評価を受けるかもしれません。おすすめは、
佐渡島青梅と日本酒で作った【北雪梅酒】
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日本酒で割って飲むと新しい味の発見ができますよ〜!
前にフォロワーさんから教えてもらった北雪梅酒を初めて飲んだ訳だが! いい香りする上に味がまるくてふわーっとしてる ふわーっと すごいおいしい!!
出典:Twitter
デザート用の甘い日本酒を知りたい方は、下記の記事もご参照ください。